睡魔のいない夜に

だれかがだれかを想って
だれかがだれかを想わない
だれかがだれかを産み
だれかがだれかを消す
まわる地球の周りまわる月
星がこぼれ落ち
その頃ぼくは 眠れず 睡魔にさらわれたいと願う
孤独がぼくを取り巻く
愛に飢えて死んでしまった小鳥を触れられない
そんなぼくを隠すような夜の雲
睡魔のいない夜は
心をなだめる希望の歌を聴くだけ
今はそれだけ
おやすみ
  おやすみ
きみの顔と きみの声を思い出し見えないものを信じる
今はそれだけ
消えてしまいそうな夢を抱きかかえ
おやすみ