それもどこかにつながる

それは
深く深く沈んでく
それは
何度も何度も削られ
岸にあがり
貝殻に紛れた硝子


誰かが海に捨てた
バラバラに砕け 刺々しい破片
海の中をさ迷い
見違える程 丸く小さくなって
貝殻に紛れ 太陽の光を浴びていた
それを見つけた子供が拾った
そして ある日 それはこう呟いた
このビンに詰められていると
ただの硝子じゃない気がするよ
あの子の特別な思い出になったような気分さ
あの子が毎晩聞きたがるような話ができるのも
あの日からのお蔭なんだ
大きな大きな丸を描くように
時の出来事はどこかでつながっているのかもしれない
それを確かめにもう一度旅に出たい